リフォームの確認申請にかかる時間と費用
2025年4月、今年度は住宅業界に大きな影響を与える法改正が施行される。4号特例の縮小によって新築住宅には大きな影響が出ると見られているが、一定以上の規模のリフォームや構造変更が絡む場合には、リフォームにも確認申請が必要になってくる。数は多くないかもしれないが、住友不動産の戸建新築そっくりさんでは、全体の2割程度で確認申請が必要になるのではと見られている。これまでその工程なしで進んでいたものが、4月から必要になってくると、工事が始まるまでの期間が延び、現況調査に掛かる費用や手間が増えてくる。つまり大型リフォームにおいて、コストと期間が増加するという懸念がある。
例えば、既存物件において、検査済証がない場合は、確認申請をして工事完了後に取得する必要がある。検査済証の有無を確認して、なければその取得のために現況調査を行って、当時の法律に既存物件が準じているかも確認する必要がある等、随分と手間が増えるようである。検査機関では必要書類を提出から35日以内に確認済証を発行。その後ようやく着工となるので随分時間も掛かる。
確認済証を取得する場合、建物の耐震性など、法規的判断も必要になってくる。屋根、基礎配筋、基礎コンクリート等の適合状況といった40以上の規定をクリアしていること等が求められるといい、チェックも大変だ。現況調査と確認申請を外部に委託する場合には、一般的な木造住宅では30~40万円程度掛かると見られており、それがリフォーム費用に載ってくるとなると、施主負担も大きい。当然確認申請が必要となった場合には、商談を進める上でこれらのコストアップ分を価格転嫁するという説明をしなければならないし、法律が変わったことを理解してもらう必要がある。
市場の風向きが変わる?
制度開始後にはバタバタすることも予想され、まずは様子見というところが多いだろう。そうなると、追い風に乗ってきたリフォーム市場にとって、少し風向きが変わるのではないかという心配も出て来るが、せっかく市場が活性化してきた勢いを途絶えさせてはならない。まず大半は確認申請が不要な工事であるため、補助金も徹底活用して、断熱やエコ設備リフォームを進めていきたい。また確認申請不要で断熱性能をアップさせるリノベ商品を提供するのも良いだろう。確認申請を伴うリノベに尻込みして、中古流通拡大の妨げになることは避けなければならない。
■法改正で一部リフォームの手間が増え、コストと時間が掛かる