人手不足のリフォーム業界


 

採用強化しても足りない人手

日本は人口減少国で、今やどの業界でも人が足りないという状況下にある。
女性と高齢者の労働参加率を高めることで人口減少に対処してきたが、いよいよそれも限界に近付いており、正社員もパートタイムも有効求人倍率が上昇している。
物流ドライバーや建設業等の働き方改革による2024年問題で、建設業者の人材は更に不足すると見られ、リフォーム業界も新卒・中途両面で人を採用しないと、自然減で戦力が減ってしまうという構造になっている。

オーナーのストックを対象にリフォームを受注するハウスメーカーは、毎年増えていくストックに対して密に接点を持つには人員を増やしていく必要がある。
例えば積水ハウスは戸建のオーナーストックが83万棟もあるが、対するリフォーム営業は1,100名程度。
単純にストックを人員で割ると770棟程になる。
全てのオーナーをフォローすることは、事実上不可能である。
また、例えば飯田グループは年間4万棟ずつ増えていくストックに対処するのは到底無理な話で、同社グループではアフターや点検業務を外部に委託しているところも多い。

以前は中途採用や新築部門からの異動等でリフォームスタッフを補充していたが、今は新卒採用も積極的に行っており、新卒社員の争奪戦が激化する。
リフォーム会社同士で人材が流動するケースも多く、とにかく人が採れないという話が多い。

■ 各社新卒採用を強化しても人材不足は続く、効率化で生産性アップへ
3省連携エコリフォーム補助金概要

生産性向上の3本柱

人が増えない中で、生産性を高めて売上を拡大していくためには、第一は効率化を図ることが欠かせない。
DXの活用も盛んに言われているが、電子契約の導入や在宅勤務・フレックスの推奨等で、まず移動時間を減らすことが効率アップにつながる。

第二は、女性登用とモチベーションアップ策。
異業種からも積極的に採用し、主婦目線で提案ができることから、リフォーム営業は女性向きと言われる。
三井ホームや積水ハウスでは女性営業の活躍が大きく、三井は大きく3段階キャリアアップの仕組みを作り、モチベーションアップを図る。

第三は、分業化とグループ内連携。
これも効率化ということにつながるが、他部門への小工事の分離や、業務分業化によって営業の手離れをよくすることで効率化を図る。
不動産仲介や新築部門からの紹介制度を強化することも、情報獲得面での効率化が図れるだろう。
リフォーム需要が顕在化してきている今、効率化を徹底し、人材が確保できる会社のみが、成長出来るリフォーム会社となれる。(関)
 

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