2022年~2023年リフォーム業界10大トピック


 
■ 2022年のリフォーム・ストック業界10大ニュース
2022年のリフォーム・ストック業界10大ニュース

新築に比べ堅調なリフォーム市場

2022年の住宅業界は、資材価格高騰の影響を大きく受け、厳しい市場環境となった。
リフォーム業界も資材高影響はあることに違いないが、大手ハウスメーカーの受注動向を見ると、新築住宅に比べて堅調さが目立つ。

2022年のリフォーム業界の10大トピックとして、第一は、コロナ禍からの回復以降、大手各社のリフォーム受注は堅調を維持していることだ。
好調な要因の一つには、補助金等の後押しはあるかもしれない。
こどもみらい住宅支援事業は早期に終了、新築も含めて11月末には申請枠が予算上限に達した。

またハードルは高いが、住宅エコリフォーム推進事業や、年末から始まった3省連携の省エネリフォーム補助事業は、非常に手厚い。
高断熱窓の補助金は最大200万円と高額である。
特に昨年からハウスメーカー各社は断熱リフォームに注力しており、補助金によって更なる後押しはありそうだ。

コロナ禍以降、リフォームの単価上昇が顕著にもなった。
特に22年は資材高影響もあり、銅やアルミといったあらゆる部材の価格高騰を受けて、設備メーカーの値上げも相次いだ。
供給側の積極攻勢もあって、大手各社のリフォーム単価は大きく上がっている。
 

市場拡大の可能性と脱炭素

また市場の可能性を感じられるのが、ヤマダデンキのリフォーム売上の成長である。家電量販店でリフォームする消費者は、基本的には潜在需要である。
リフォームを考えていなかった層が家電購入をキッカケにという流れが多く、これはリフォーム市場が拡大可能性を秘めているという見方も出来るだろう。
 
また住友不動産が一昨年末より研究を始めた、リフォームの脱炭素効果については、47%のCO2削減効果があると発表した。
脱炭素時代におけるストック重視の考え方を裏付ける一つの結果であり、継続して優良ストックに住み続けることの脱炭素効果を検証していく。
 

中古再販の伸びしろに期待

新築に比べて比較的市場環境は良かったと言えるリフォーム市場であるが、ストック流通は進まなかった。
特に首都圏の中古マンションの価格高騰は続き、過去最高値を更新している。成約件数は前年割れが続き、在庫も増え始めている。
大手ハウスメーカーのスムストックも成約棟数は減少に転じた。

ただ大手は買取再販も強化しており、積水化学のBeハイムなどは伸びている。
買取再販は住宅流通においては伸びしろの大きい手法と言えるかもしれない。
マンション買取再販は既に市場存在価値は確立しているが、業者によって明暗は分かれている。
年末にはホームネットを傘下に持つプロパティテクノロジーズの上場があり、可能性は広がる。
脱炭素社会を目指す時代において、リフォーム・ストック市場の果たすべき役割は大きい。 (関)

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