目次
2021年のリフォーム・ストック業界10大ニュース
①コロナ危機から急回復、リバウンドで受注増へ転じる
②9月から再び供給網を直撃、第2次住宅設備危機
③中古マンション価格上昇、需要旺盛で在庫減続く
④引き続き、ニューノーマル+テレワークリフォーム好調
⑤リベンジ消費もあり、リフォーム高額化の傾向現れる
⑥スムストック再び増加、大手HMの買取再販強化も進む
⑦電力買取事業も進み、エネルギー循環の動き活発化
⑧新築市場にウッドショック、ストック活用重要性増す
⑨グリーン住宅ポイント、前回より利用増で市場底上げ
⑩リフォーム業界のDXが進む、VRとAR、ドローン等
コロナ危機からのリバウンドと設備危機、中古価格上昇
2021年は、コロナダメージを受けた2020年から回復し、むしろ需要は活性化へ向かった年である。
業界ニュースの第一として、コロナ影響からのリバウンドで、リフォーム業界は新築以上の回復ぶりを見せた。
3密を生みやすかったシニアビジネスも、予約制相談会等、徐々にコロナ禍での販促に慣れ、何より暮らしを改善したいというニーズに資金が向かった年だったと言える。
第二に、9月頃から今に至るまで、業界に再襲来した設備危機がある。
今回はベトナムロックダウンが発端で、半導体不足からトイレや給湯器の生産が遅延し、現在もなお収束を見ていない。
第三は中古マンション価格上昇続く。住宅取得意欲は強く、需要が供給を上回る状態であり、中古マンションも成約件数は増加し在庫は減少、価格上昇は止まらず、高値を更新している。
ニューノーマル需要とリベンジ消費でリフォーム高額化か
第四は20年から引き続き、コロナ対策のニューノーマル仕様やテレワーク対応へのリフォーム需要は旺盛であった。
タッチレス水栓、換気システム、床暖房、テレワークスペース等の他、トイレ、バス、キッチン等の水回りリフォームも回復した。
第五は、強制貯蓄やリベンジ消費という背景もあり、リフォーム高額化の傾向も一部では見られる。
暮らし改善意欲は強く、旅行や外食もまだ本格再開とは行かない中で、お金の使い道は一定数リフォームへ流れた。
せっかくだからとワンランク上の商品も選ばれる傾向にはありそうだ。
中古流通、脱炭素、DXも進捗
以下も、リフォーム市場においては、悪いニュースは比較的少なかったと言える。大手ハウスメーカー10社の手掛けるスムストックも1,900棟超えで過去最多となった。
中古買取再販も含めて、大手ハウスメーカーのストックビジネスは進んだ。
また脱炭素やSDGsは一般的にも注目度が高く、これは新築もリフォームも同じであるが、再生エネを利用する取り組みは進んだ。
卒FITから3年目、蓄電池設置と電力買取というビジネスの連携は、今後も住宅会社のストックビジネスやRE100等の脱炭素経営のカギになる。
コロナ禍のマイナス影響として、住宅業界にはウッドショックが襲い、あらゆる資材価格が高騰しているが、ある意味、既存の木材を再利用していくことが出来るリフォームには追い風の面もあり、ストックをもっと活用していこうという機運の高まりにもつながると見られる。
またグリーン住宅ポイントも前回の次世代ポイントよりも活用されたと見られ、市場の底上げにはつながっただろう。
またDXが進んだこともコロナ禍でのプラス要素。VRやARを使うリフォーム提案や、ドローンによる建物診断等も増えたと見られる。今年もコロナ影響がどういう形で出るか不透明だが、消費マインド自体はプラスと見て、市場活性化に努めたい。 (関)
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