今年度もいよいよ下半期に突入しました。上半期は前年の駆け込み需要の反動減により苦戦が続きましたが、10月からはそういう言い訳もできません。消費税の10%増税という声も聞こえてきつつありますが、とにかく受注の早期回復を図る必要があります。
受注テコ入れ策は様々ありますが、新商品の投入もそのひとつです。例年、春の大型連休前と下半期スタートの10月前後は数多く発売されますが、今年のトレンドはどうでしょうか。
ここ最近の人気テーマは「太陽光発電住宅」であり、中でも「10kW超搭載」がブームとなっています。しかし、固定買取制度の先行きが不安視されており、売電に依存した太陽光発電アピールは早くも黄信号が灯り始めています。そこで注目したいのは「ZEH基準対応住宅」であり、政府も2020年までに標準的な新築住宅でのZEH実現を目指しています。ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」ということで、年間の一次エネルギー消費量を正味でおおむねゼロとする住宅を意味します。つまり、太陽光発電による創エネだけでなく、躯体の断熱性能を向上させたり、高性能設備機器と制御機構等とを組み合わせたりして住宅全体での省エネを図ることにより「電力量収支=消費電力量-発電電力量≦0」を目指す仕様ということです。
ミサワホームが10月10日に発売する「スマートスタイルS」は、
①躯体の断熱性能の向上等によりZEH基準に対応
②従来シリーズと同価格帯で太陽光発電を標準搭載
③子供の成長を考えたホームコモンズ設計等を提案
④プレミア価格での電力買取サービスを、余剰電力の売電にも拡大
などを特徴として挙げています。注目はZEH基準対応商品という点で、
■フォルムを工夫 ~東西面の開口面積を抑制、屋根の面積を拡大(ZEH仕様は5.62kW搭載)
■断熱性能を向上 ~高性能グラスウール24Ks75mm(壁・床、寒冷地仕様)
高断熱サッシ、高断熱Low-Eペアガラス
■微気候デザイン ~自然エネルギーを活用、トップライト排出、ルーバーバルコニー等
など、エネルギー性能を高める工夫を盛り込んでいます。
ちなみに、商品名の「S」は、Simple、Solar、Smart house、Storage、そしてSmileという意味を表しているとのことで、20~30代の子育て世代をメインターゲットとして、年間100棟の販売を目指しています。(脇田)