大手10社の9月受注棟数伸率は前月比10ポイント低下の前年同月比▲31%、12カ月連続減となりました。消費増税後、初の▲30%超え、11カ月連続2ケタ減の厳しい状況が続いています。但し、9月受注に関しては前年9月が予想以上の駆け込みに伴い37%増とハードルが高く想定の範囲内といえます。また、一昨年比でみると9月は95%水準(▲5%)となり、6月を底に微幅ずつですが持ち直し傾向にあります。
一方、先行指標の集客は、天候不順の影響が落ち着いた8月最終週から比較的活発な動きが戻りつつあり、大手10社の9月集客は前年同月比で概ね2~3%増となり、新春1月以来、8カ月ぶりにプラスに回復しました。住宅会社によっては2ケタ増のところもあり、今後が期待される材料です。
とはいえ、現状は後押し材料や決め手に欠くこと、消費税10%は12月上旬に決定予定であること、贈与税非課税枠拡大(最大3,000万円の案あり)も12月末の税制改正大綱発表まで不透明であることなど、様子見・先延ばし要因も多く、年内は一昨年水準への回復は正直難しいと思われます。
厳しい市場環境が続きますが、それでも先行指標の集客回復は明るい材料です。動きが戻りつつある住宅計画者の背中を、あと一歩後押しするためにも、積極的な仕掛けやフォローの徹底など継続し、本格的な集客と受注の回復に繋げたいものです。(岩澤)
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