スマートハウスという言葉が普及し始めたのは2011年、東日本大震災によるエネルギー危機が転機となりました。それから4年が経過し、名称はすっかり定着しましたが、肝心の中身については飛躍的な進化を遂げたとは感じられません。しかし、エネルギー危機は依然として続いており、高齢化社会への対応等、スマートハウスによる問題解決が期待されるテーマは数多くあり、更なる進化が求められています。
2015年はスマートハウスにとって、大きな転機となりそうです。電力小売自由化に向けた動きが本格化することに合わせて、住宅部門での対応も加速します。注目は、宅内無線ネットワーク「Wi-SUN(ワイサン)」の実用化です。国内外の有力企業が参加する設備系無線の標準化団体によるもので、スマートメーターやHEMSと各種家電を無線で制御する統一規格であり、2015年にも対応機器を発売する見込みです。
2015年1月の独立行政法人 情報通信研究機構の発表によれば、宅内無線ネットワークに不可欠な複数家電対応・中継機能付き無線機を世界で初めて実装に成功したとのことで、いよいよ本格的なスマートハウスの実現が見えてきました。遠隔制御する機器は、エアコン、照明、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、給湯器、EV充電器、スマートメーターの8種類となり、今後、対応機器は増加していくと考えられます。家電製品だけでなく、スマートフォンやタブレットへの採用も計画されているようで、無線通信によるネットワークにより、スマートハウスの可能性が一気に広がることが予想されます。
(脇田)
●宅内無線ネットワーク用「Wi-SUN」のイメージ
資料)独立行政法人 情報通信研究機構(2015年1月30日 発表)
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