女性の社会的活躍の場を拡大しようという試みが、国や企業の間で広がっています。背景には、人口減少による労働力確保や、女性が働きやすい職場環境を整備することによる少子化対策という狙いもありますが、そもそも、社会全般で女性の存在感が高まっているということです。
女性を消費者として見た場合も同様で、「女性目線」を掲げた商品開発や販促が目立ちます。住宅は元々、家事を担当する主婦を中心として、女性に向けた提案は重視されてきました。ただし最近、同じ女性目線でも、従来とはやや異なる取り組みも見られます。
住友林業は、2013年に発足した「女性目線開発プロジェクト」により、女性の視点を商品開発やサービスに活かす活動を進めてきました。そしてこのたび、同プロジェクトの最新成果として新商品「konoka コノカ」を発売し、東京三鷹にモデルハウスもオープンしました。「コノカ」の商品開発においては、住友林業社員や関係会社の他、女性誌と共同で行った読者1,600人のアンケート等も活用して、一般消費者としての女性目線も意識したことが特徴です。これらの意見を分析・総合した結果、4つのキーワードを商品コンセプトとして位置付けています。
- ①「リビング」 ~センスの良いキレイなリビング
- ②「ナチュラル」~木の風合いを生かした3つのスタイル
- ③「愛着」 ~木の質感にこだわった水回り設備、フローリング
- ④「自分」 ~庭やテラス等の外回りのガーデンスタイル
4つのキーワードとそれを具体化する仕組みを見ても、家事効率の向上や収納工夫といった、これまでの女性向け提案とはやや趣を異にします。「自分に似合うファッションやインテリアを選ぶように、私たちがこだわりたい“個性”をかなえる家づくり。~」というコピーにあるように、どちらかと言えば生活感が薄いイメージで、おしゃれな家づくりを強調しています。また、提案のポイントとしてキッチンやダイニングではなく、リビングを中心としている点にも注目で、女性目線の家づくりも新たな趣向が求められているようです。(脇田)
●住友林業 女性目線開発プロジェクトの新商品「konokaコノカ」のプランイメージ
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