前年上回る第1四半期決算
東京オリンピックが閉幕した3連休明けで、日本企業の多くが4~6月期の決算発表を終えた。
ほとんどの企業は前年同期を上回り、コロナ禍決算からのリバウンドは明らかである。
前年からの伸率はあまり参考にはならないものの、一昨年の19 年4~6月期を超えてくれば本格回復と見ても良いだろう。
この時期は住宅業界では増税前駆け込みが数字に出ており、売上ベースでは反動減影響はほとんど出ていない。
まず積水化学は、前年は上回ったが、19年水準はクリアしていない。
大和ハウスも全体ではプラスながら、国内戸建は戻りが遅く、19年水準までには回復していない。大東建託も賃貸収入の伸びで全体ではプラスながら、建設事業は前年から横這いである。
一方で、住友林業は戸建受注が堅調で、海外だけでなく国内住宅でも良い結果を出してきた。
決算期変更でⅡQまでが終わったが、1~6月で比較すると、受注は20年比40%増、売上ベースではそこまでではないが、堅調に戻っている。
また19年の売上高を上回るところとしては、旭化成ホームズの堅調さも目立った。
受注では前年に大苦戦し、今期は大幅なプラスも、19年レベルまでには戻っていない。ただ売上ベースで見た決算では34.6%増収。
大きいのは豪州企業の連結子会社化の効果だが、それを除いても新築部門のホームズで13.0%増収と堅調な成長である。
旭化成は前年ⅠQも、受注残が多くあったことから売上は増収。つまり今期は19 年を大きく上回っているということだ。
■大手ハウスメーカー第Ⅰ四半期売上高推移
設備メーカーは19年上回る堅調ぶり
設備メーカーの決算を見てもリバウンド以上の堅調さが出ており、特にリフォームにおいての回復は大きい。
LIXILもTOTOも新築とリフォームで比較してみると、リフォームでの売上の堅調さが目立ち、両社とも19年を3%程度上回っている。
LIXILはリフォーム売上比率36%から41%へと5ポイントアップさせた。
部位別ではトイレや洗面台、水栓金具はしっかりと伸ばしているし、バスやキッチンもかなり回復している。
第Ⅰ四半期は前年比較では良くて当然だとしても、業績はまずまずだったと言えそうだ。特にリフォームには期待感は大きい。
コロナ禍直後には苦戦したリフォームの回復から、ニューノーマルニーズを捉えた持続的な成長を期待したい。(関)
■設備メーカーのリフォーム売上が堅調(ⅠQ)
JSKコラム(2021年)住宅業界新型コロナ月刊TACT