TACTの取材で地方へ行くことがありますが、地方では地元のビルダーが強いことが多いです。社長が地元出身で顔が広く、地元TV局や新聞社とタイアップするなど、地域に上手く溶け込んで販促を行っていることが多く、地元不動産屋との関係も良好な場合が多いです。
またビルダーの中には長年CMを放映し続けているところもあり、顧客が小さい頃から会社の名前や、CMソングの聞き覚えがあって、なぜか印象が良いなどといった評価を得られる場合もあると聞きます。地方客の特徴で、第3者が介入することが多いですが、長く続けていることで親御さんに向けても世代を超えてアピールできているのも強みかと思います。ハウスメーカーにはできないビルダーのブランディングです。
今回伺った熊本県は住宅着工棟数の1位、2位はビルダーで、総合展示場におけるビルダー出展割合は住宅メーカーよりも断然高く、ビルダーが圧倒的に強い市場です。地元愛の強い顧客が多いと言われ、顧客の意識としては、住宅メーカーに対して若干よそ者的なイメージを持つケースもあると聞きました。今後地方消費を担うと言われるマイルドヤンキー層は意外とこういったパターンが少なくないかもしれません。
対策としては例えばモデルやショールームの設えはご当地キャラクターを採用したり(ちなみに今回伺ったハウスメーカーの1社ではくまモンの特大ステッカーが出迎えてくれました)、イベントや展覧会などに協賛したりするのも手です。メーカーでは支店長が何年かのサイクルで交代し、その都度販促の方針が変わるかもしれませんが、こういった取り組みはすぐには成果に繋がらないながらも、地道に続けることが重要だと思いました。(高津)