分譲ブランド

戸建住宅を利用関係別に見ると、持家(注文)と分譲(建売)の2つに分類できる。昨年度の着工戸数では、持家27.8万戸に対して分譲12.4万戸となり、戸建住宅の約1/3は建売分譲が占めている。建売分譲を供給する業者は、圧倒的にビルダーや工務店が多くシェアは9割を超えており、地域に根差した土地情報や価格競争力を活かした展開で強みを発揮しています。それに対して大手住宅メーカーは、持家に比べると建売分譲では市場支配力も弱いですが、今後も一定水準の需要を確保すべく、分譲ブランド強化を進める動きが出始めました。

 大和ハウス工業では7月16日より、創業60周年を機に戸建分譲ブランドを「SECUREA(セキュレア)」に刷新すると発表しました。同社は1962年より「ネオポリス」ブランドで大規模団地の開発に着手し、これまでに全国65ヵ所、6万1千区画の分譲住宅を供給してきた実績があります。この膨大な分譲ストックの活性化も経営課題ですが、合わせて新規供給物件については伝統のブランドを刷新することで、新たな需要開拓を目指していくということです。

 ブランドコンセプトは、「ふれあう、ほっとする。」としており、SECURE(セキュア)が意味する安全・安心をベースとして、3つの特徴を盛り込んだとしています。

  • ①とち力 ~土地開発の専門部署
  • ②いえ力 ~基本性能を確保、最長50年間の長期保証
  • ③まち力 ~街並み全体で計画、防災・減災、コミュニティ、資産価値維持

 全国に展開する土地情報収集力をもとに、耐震性や耐久性、遮音性、断熱性等の基本性能にも配慮した建物性能を確保して、さらに街並みにも配慮するというもので、結果として資産価値の高いまちづくりを目指すという点が特徴と言えます。また細かな提案としては、「ハダシバフ」と称して全区画に芝生を設けるというアピールにも注目です。
 現時点では、北海道1物件(総戸数3区画)、関東5物件(202区画)近畿1物件(8区画)を販売中であり、今後は1区画の物件でもセキュレアブランドに統一して展開していくという。第1弾物件の「セキュレア桜台」(東京都練馬区)では30戸全戸について、

  • ・リチウムイオン蓄電池(6.2kWh)
  • ・D-HEMS3(オリジナルHEMS)
  • ・太陽光発電システム
  • ・エネファーム

を採用するという意欲的な内容であり、8月上旬からの販売開始の成果に注目したい。(脇田)

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