以前パナホームの多層階住宅商品を取り上げましたが、首都圏を中心にまだまだ複合用途の多層階住宅提案が目立っています。大和ハウス工業でも4~5階建ての新商品として、同社で以前から発売していた「skye」を新構法にリニューアルし発売しました。
営業目線で見た訴求ポイントとしては、まず天井高2,720mm、最大開口8,190mmの設計自由度を可能にしたことです。天井高2,720mmというのは、戸建で販売が好調なジーヴォΣの天井高と同様で、この仕様はジーヴォΣにおける契約理由の3位に入るという人気ぶりです。これを都市型住宅に採用することで、狭小地でもゆとりある室内空間が生まれ、店舗併用などでも提案の幅は広がります。
新たに採用した制振装置「フリクションD」も特徴で、5階建てまで対応できる制振装置は業界初とのこと。「当社だけ」というのは大きなアドバンテージになります。もちろん交通振動や強風による揺れを軽減するAMD及びTMD制振装置も対応可能です。
また以前の「skye」では採用できなかった、大和ハウスの特徴である外張り断熱通気構法を搭載することで快適性をプラス。3階建てまでなら軽量鉄骨「ジーヴォ03」にて外張り断熱の訴求は出来ましたが、4階以上で「skye」になると断熱仕様が大きく変わり、営業も提案しにくかったと思われます。商品が変わると仕様も大きく変わるというのは、接客段階では非常に案内しづらいですが、今回の「skye」ではそういったジレンマも解消されたと思います。
さらに部材数を絞ることで価格面でも進化、以前の「skye」よりも抑えることができたといい、営業サイドでは最も大きなポイントとなったのではないでしょうか。
多層階商品の発売としては、他社と比べやや出遅れた感があるかもしれませんが、その分商品力は高く、これを機に23区内でのモデルハウス展開及びまちなかモデル展開を強化する方針とのことです。また住宅事業部の商品であることから、戸建住宅の営業を中心に販売させる考えで、建替え客に賃貸併用同時提案など、モデルハウスによる併用住宅訴求が増えそうです。(高津)
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