新年、明けましておめでとうございます。
本年は住宅産業研究所にとっては節目の年で、設立40周年を迎えます。40年という歴史を刻むことが出来るのも、日頃からお世話になっております会社様のおかげと、改めて感謝いたします。誠にありがとうございます。より一層、住宅業界に貢献できるよう、努力して参りますので、本年も弊社、並びに「月刊TACT」、「TACTリフォーム」、「週刊エクスプレス」、「オンデマンド」など、どうぞよろしくお願い致します。
さて、今年は住宅業界にとって、大きなイベントとも言える消費税増税前の駆け込みが起きるであろう年です。勝負の年と言えます。ただ最近の論調からは、景気がこのまま足踏み状態を続けていると、消費税再増税も再び先送りする可能性もあるのではないか、という憶測も飛び交うようになりました。判断時期も5月とか、10月とか言われています。
消費税増税の駆け込み対策、10月以降の反動減対策、万一先送りになった時の対策と、あらゆる想定の上での計画を練っていく必要があります。
昨年の住宅業界を振り返りますと、どんなことがあったでしょうか。1月号のTACTでも取り上げますが、2015年の住宅業界の動き、ニュースの一部を挙げてみると、以下のようなことがありました。
<2015年業界ニュース>
●相続税改正の影響続く、賃貸住宅、多層階住宅などが市場を牽引
●過去最高決算企業、減収減益企業と、各社業績は明暗分かれる
●富裕層向けの住宅は引き続き好調、各社高額商品に注力
●マンション傾斜問題が起き、マンション販売の不透明感が増す
●空き家特措法が完全施行され、各社空き家対策ビジネスに注力し始める
●リフォーム業界への異業種参入相次ぐ、アマゾンのネットリフォーム本格化
・・・・等です。
2015年の住宅業界も明暗の分かれた年と言えるでしょう。戸建は予想よりも回復が鈍く、一方で賃貸住宅はまだ相続税改正の影響を受けて受注、着工とも好調を維持しています。
企業業績も過去最高を続ける会社もあれば、減収減益という会社もあり、勝ち組、負け組に分かれて来ています。
今年は予定通りであれば増税の駆け込み、反動減が一気に起きる激動の年となります。企業の業績も更に明暗がハッキリと出てくるかもしれません。着工自体は持家は確実に上向くはずですので、おそらく2015年度というところで見ると、持家着工で32~33万戸、着工全体では95万戸くらいまでは行くと見られます。
この10%増税前の駆け込みは、最後の新築住宅業界の盛り上がりという可能性もあります。駆け込みが起きるならば、7~9月。まずは目先のこととして、駆け込み時期前に如何に決断して動いてもらうか。今から6月まで、スタートダッシュと前半戦が勝負と言えます。
もちろん取れる受注は取ることも大切ですが、その後の対策の方がより重要でしょう。この増税をキッカケに、本当に新築住宅市場は、本格的な縮小期に向かっていくはずです。縮小していく新築市場でも業績を保ち、更に伸ばしていけるような会社にしていく必要があります。
忙しい年となると思いますが、今年も住宅業界にとって、皆様の会社にとってより良い年となりますよう、お祈り申し上げます。(関)
市場