あるハウスメーカーで、新卒社員研修の一貫としてメールマナー講習を実施したときのことです。この研修では、参加者にその場で簡単なメール文章を作成・送信してもらい、講師である私がその場で添削するという実習を行うことになっていました。参加者には、会社のメールアドレスをまだ支給していないということで、参加者個人のメールアドレスを使って実習を行うことになりました。
ところが、ここで問題が発生します。新入社員の1割が「メールアドレスを持っていない」というのです。学生時代は学校から付与されたメールアドレスを持っていたかと思うのですが、個人ではメールアドレスを持っていないのです。友人などとのやり取りはLINEなどのメッセンジャーアプリが主流であるため、プライベートでメールを使う機会が無いのでしょう。
研修自体は、メールアドレスを持たない参加者への対策を施すことで無事に終えましたが、「若手社員がメールに慣れていない」ということを実感する出来事になりました。
近年は、パソコンが苦手な大学生・若手社員も多いと聞きます。彼らにとって、パソコンやEメールは「過去の世代のもの」なのかもしれません。
しかし、社会人としての日々の業務や、営業担当者のお客様とのコミュニケーションは、まだまだメールが主流です(営業担当者とお客様がLINEでやりとりするケースも増えているようですが…)。若手社員にメールの使い方やマナーを教えることは、企業として必須と言えるでしょう。
LINEで友達相手にスタンプや短文をやり取りするのと、メールで仕事の関係者やお客様とやり取りをすることは、全く勝手が違います。「若い人はメールに慣れているだろうから…」という考えのままでいると、思わぬところで問題が発生するかもしれません。
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5月・6月は、営業担当者向けを対象とした「メールの書き方セミナー」を実施します。若手社員の方に限らず、メールでのコミュニケーションに不安のある方は、ぜひご参加ください。(高田)