2020年の住宅業界に関連する10大ニュース
① コロナ大打撃、営業自粛、総展閉鎖で4~5月受注大幅減
② ステイホームで需要が急拡大、明暗は激しく表れ、戸建分譲の契約動向が5 月以降急反発で、軒並み前年を上回る
③ ヤマダ電機がヒノキヤ、レオハウス子会社化、ハウスメーカーはPLT が発足し、住宅業界のグループ化が加速
④ 持家着工戸数、55年ぶりの月間2万戸割れが20年1、2、5月の3回、市場縮小が本格的に進む
⑤ 首都圏マンション供給過去最低、バブル後の供給戸数を下回る、5月発売は393戸、年間戸数も2.4万戸水準へ
⑥ 地価下落へ、コロナ禍で3年ぶりに反落、観光地地価が急落、住宅地も明暗分かれる
⑦ コロナ自粛により、特にリフォーム、賃貸住宅のシニア中心のビジネスが苦戦、大東建託は一時受注が消滅
⑧ ローコスト大手堅調、タマホーム完全復活、注文系ビルダーも受注は好調推移
⑨ 外出自粛のコロナ禍では販売手法も非接触、オンライン化・DX推進へ
⑩ テレワーク浸透と在宅時間の増加で、ニューノーマル仕様に注目、都心から郊外へ住み替えが増加
コロナが生んだ新しい価値観
良いことも悪いことも含め、多くの変化をもたらした2020年が終わった。
4月には緊急事態宣言が発出され、予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催も延期。国のトップも変わった。
感染拡大、連日コロナのニュースばかりで、住宅業界のトピックでもやはりコロナに絡むことが多い。
2021年は本当に新しい時代の幕開けとしたい。
振り返れば2020年は明暗が極めてはっきりした年だった。コロナは世の中に大打撃をもたらしたが、ステイホームが新しい価値観を生んだ。
3月にトイレ等の設備生産停止から始まり、緊急事態宣言による営業自粛、総展閉鎖による受注の大幅減である。
来場は8~9割減、大手ハウスメーカーの受注は軒並み二桁減に見舞われた。一方、テレワークの普及が住宅のニーズを変化させた。
在宅時間が増え、家の狭さによる不満等が湧き出て、ニューノーマル仕様等、感染症対策も含めて、コロナ禍で家に求める快適さの欲求も増したと言える。郊外に住むという価値も高まり、東京の人口が減ったことも大きな変化だ。
WEBとの親和性もあり、オープンハウス等の戸建分譲住宅の契約が5月以降前年を大きく上回り始め、タマホームやヒノキヤグループ等の大手ローコスト業者の受注も早期に回復した。
巨大グループ誕生で業界再編
インパクトの大きさでは、ヤマダ電機によるビルダーグループ化である。
レオハウスに続いて、10月にはTOBによるヒノキヤグループの子会社化に動いた。
10月からヤマダホールディングスとなって、暮らしまるごと戦略を強化し、住宅業界の新機軸を立ち上げた。
2020年1月にはハウスメーカー連合のPLTも発足し、業界再編が本格化し始めた。
住宅着工・地価動向
記録的な数字としては、55年ぶりに持家着工が月間2万戸割れとなったこと、マンションの供給戸数も過去最低となったこと、住宅着工が確実に縮小へ向かう衝撃的な数字が躍った。
不動産業界ではホテルやオフィスのダメージが大きく出たが、上昇してきた地価もコロナで一変して下落に転じた。
コロナ感染によるリスクが高いシニアを中心としたビジネスである賃貸住宅とリフォームは苦戦し、新築以上に自粛が求められる厳しい1年となった。
進むWEB活用、DX
販促のオンライン化が進み、WEB集客やオンライン商談が不可欠になった。
うまく切り替えてDXも含めて事業効率化へ進められたところは、まさにこの危機をチャンスと捉えている。
新しい住宅業界の勝負は既にスタートで差が付き始めている。 (関)
■2020年の住宅業界に関連する10大ニュース
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