耐震性訴求

熊本地震から半年が経とうとしています。震度7が2回、震度6強が2回と繰り返し続いた大きな揺れの他、大雨による二次災害も起きています。近いうちに地震が来ると言われ続けている南海トラフや首都圏直下型地震ではなく、熊本県で起きたことで、いつどこで地震が起きてもおかしくない、改めて日本が地震列島である事を認識する出来事でした。また今まで大きな地震が発生しなかった地域でも、耐震性に関心を持つ顧客が増えてきたという話を聞くようにもなりました。

大手メーカーでもTVCMを中心に耐震性の訴求が増えてきました。注目なのは三井ホームです。三井ホームと言えばデザイン面でのアピールが多かったですが、今回は耐震性のアピールに大きく舵を切りました。
同社では実物大耐震実験を行い、震度7の地震波に60回耐えたことや、加振最大加速度5,115gal、加振最大速度231kineの揺れに耐えたなど、数値でのアピールを行っています。数値での比較は顧客にとっても分かり易く、簡単に差別化することが出来ます。またこの数値は業界でも最高水準と言え、営業マンも改めて自社の建物に自信を持ち、積極的にアピールすることが出来るようになったと思います。

住宅性能で最も大切なのは命を守るという意味で耐震性と言えます。震度6強、7の揺れが繰り返し起きたことで、今まで一つの基準としていた耐震等級3というのはもはや過去の性能と言え、それを上回る耐震性能や制振装置などの提案が必要になってきます。もう一つ、地震後のライフライン確保という意味では太陽光、蓄電池も重要な設備と言えます。
省エネやZEH、暮らしやすい間取りももちろん大事ですが、まずは命を守るという意味で地震対策の提案が最重要と言え、今の顧客心理に響きやすいのではないでしょうか。

■三井ホーム耐震実験
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