アパート市場の過熱感に警戒を促す声が大きくなっています。これまでは、マスコミ等において一般的な空室リスクに言及する程度でしたが、最近、国からも警鐘が鳴らされるようになってきています。いずれも1月に発表したレポートの中で、内閣府は「供給過剰」の可能性を具体的な数値で示しており、建設経済研究所は来年度の貸家着工戸数を約6%のマイナスと予測しています。いずれにせよ、数年にわたり順調に伸びてきたアパート市場が転換点を迎えることは覚悟しておく必要がありそうです。
このようにアパート建設バブルが懸念される中でも、住宅メーカーは更にアパート売上を伸ばす構えを崩していません。商品としては、3階建以上の中層向け新構法や自宅賃貸併用仕様、入居者ターゲットに合わせたライフスタイル提案等、仕様設備面での差別化を徹底して、プレミアムアパート需要を開拓する狙いです。
三井ホームが1月に発売した「Mute50(ミュート50)」という新仕様は、‘賃貸住宅に「L-50」を業界初の標準化’として、木造アパートにおける遮音性による差別化を図るものです。ミュート50の特徴としては、
①床衝撃音を一般的な鉄骨住宅(ALC厚100mm)に比べ約3分の1に軽減
②木造でありながら床スラブ厚270mmのRC造に匹敵する上下階遮音性能を実現
として、具体的な数値を明示して競合他社を意識したアピールポイントを掲げています。これは、同社が昨年から展開している「震度7に60回耐えた家。」という広告を思わせるもので、今後の動向に注目です。(脇田)
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