3階建以上の中高層建築物は、住宅系で約42,000棟、非住宅系で約3,500棟の計45,500棟の需要があります(建築着工統計 平成27年度)。木造建築物は、住宅系の3階建では非木造の2.5倍を占めて優勢ですが、4階建以上と非住宅では鉄骨や鉄筋コンクリートに大きく差をつけられており、その理由は法律的な制限にありました。
一般社団法人 日本木造住宅産業協会(木住協)は、平成18年から木造1時間耐火の耐火構造大臣認定書(写し)を発行しており、4階建までの木造建築物に対応しています。発行数は累計で2,180件に達しており、最近、公共建築物の増加等で大きく伸びています。更にこのほど、2時間耐火構造大臣認定を取得し、木造5階建以上の建築が可能となりました。純木造の場合14階建まで可能となり、4月からは設計マニュアル講習会を開始し、非木造が独占していた用途や規模の建築物需要において、木造を伸ばしていく方針です。
住宅メーカーの動きとしては、住友林業が「BF-耐火」という4階建までに対応した商品を平成27年より販売しており、4階建モデルハウスや街角展示場も手掛けています。今後、5階建以上の商品展開や、同じく木造の2×4工法でも中高層化に向けた動きが本格化すると見られ、新たな木造建築物の可能性が広がると期待されます。(脇田)
資料)一般社団法人 日本木造住宅産業協会(1時間耐火)