2016年度の日本の企業収益が2年ぶりに過去最高になったということが、ここ最近の新聞紙上で取り上げられていました。それも減収にも拘わらず、低成長下においても収益をあげられるような収益体質になっていて、全体的に足腰が強くなっているのだということです。
住宅メーカーやビルダーの決算を見ても、確かに収益力が高くなっていることを感じます。大手ハウスメーカー8社のうち、16年度の決算は増収増益が5社。減収減益は元々の予想通り旭化成ホームズのみでした。
特に大手の中でもトップ2の大和ハウス、積水ハウスの強さは際立ってきたと言えます。大和ハウスは10%増収の3兆5,129億円の売上高、経常利益は28.7%増益の3,005億円。7期連続の増収増益の達成です。それに伴い、2018年度の中期経営計画も大幅な上方修正をして、3.95兆円の売上高と、ほぼ4兆円企業に成長する計画となっています。
積水ハウスも1月の決算は、大幅な増収増益で初めて売上高が2兆円を超えました。両社とも戸建住宅は絶好調というわけではなく、販売戸数自体は減少している中でも、会社全体では過去最高の決算を発表しています。特にこの2社に関しては、賃貸住宅事業に強いという点で、他のハウスメーカーよりも優位に立っていることも業績好調の要因ですが、総合ハウスメーカーとして、多くのセグメントの中で利益を稼ぎ出す確固たる事業モデルを築けていることが、強さの要因です。
両社のみならず、大手ハウスメーカーは徐々に戸建依存を脱し、次なる住宅業界の構図の中で戦えるような体制を築いてきており、中期的には利益率も段々と高まって来ています。日本企業が強くなっている、稼ぐ力を付けているという流れに乗って、厳しい市場環境の中でも、住宅会社は堂々と成長へ向けて邁進していると見えます。(関)
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