2017年の大型連休において、住宅メーカーは数多くの新商品を発売しました。各社、様々なテーマを掲げて販売強化を図っていますが、今回はトヨタホームが4月20日に発売した「シンセ・フィーラス」という商品を取り上げます。
この商品は、同社の鉄骨ユニット系フラッグシップモデルとして5年ぶりにモデルチェンジされたもので、ZEH断熱基準の標準化と上質なデザインをアピールしています。ここで注目したいのは「自動車+住宅」という提案で、大きく2つの特徴があります。
ひとつ目の特徴は「設備見守りサービス」という独自のHEMSを活用したIoTサービスです。具体的には、太陽光発電、リチウム蓄電池、エコキュート、セントラル空調、玄関電気錠、EV・PHV充電器を対象として、これらの設備機器がエラーを発生した場合に、データセンターで即時に解析して、メールかコールセンターよりお客様に知らせるという仕組みです。注目は「トヨタスマートセンター(TSC)」というデータセンターで、トヨタ自動車が開発した「自動車+住宅+電力供給事業者」を統合的にコントロールするシステムです。サービス開始は2017年9月上旬としており、IoT住宅が本格化しそうです。
ふたつ目の特徴は「ジオデュアルトップ」という新外装塗装で、注目は住宅業界で初めて自動車の塗装技術を応用したことです。自動車の塗料に使われるカラークリアを外壁に使用して2層塗装とし、膜厚の差により陰影感・質感を高めたとアピールしています。外壁は住宅商品にとって重要な差別化ポイントであり、独自アイテムとして期待されます。
いずれもトヨタ自動車の技術力を背景としたサービス・アイテムであり、グループ力を活かした住宅商品提案として興味深い取り組みです。自動車業界では、自動運転などの先進技術が急速に実用化され始めており、住宅業界も積極的な取り組みが必要です。(脇田)
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