28年度のデータによると、注文住宅を建築した方の情報収集方法は、1位「住宅展示場」2位「知人等の紹介」は例年通りですが、これまで3位だった「自身や親族・知人の勤め先」が5位に後退し、代わって「インターネット」が初めて3位に浮上しました。
過去の住宅市場動向調査を見ると、注文住宅市場における検討客のネット利用率は長らく低迷し、10年前の平成18年度はわずか3.3%でした。すでに家庭用ブロードバンドが普及するなど、インターネットが情報ツールとして一般化していた時代にもかかわらず、利用率はチラシ・情報誌に大きく水を開けられていたのです。
その後、平成23年度の調査まで、ネットが紙媒体を下回る状況が続きました。
「注文住宅ではネット集客は難しい」とお考えの方は、この時期に集客で結果が出なかった経験をお持ちの方なのかもしれません。
しかし、平成24年以降はネットが常に紙媒体を上回っており、今回の調査では頭一つ抜ける格好となりました。
ここで注目したいのは、前回調査と比較すると、ネット以外にも「住宅展示場」「情報誌」が利用率を伸ばしているという点です。住宅検討客が受け身で情報を得る「チラシ」や「紹介」が利用率を下げ、検討客の側から情報を取りに行く「ネット」「展示場」「雑誌」が伸びているというのは、自ら能動的に情報収集を行う近年の顧客像を反映しているのかもしれません。インターネットは「能動的な情報収集」の代表的ツールであり、最も利用率を伸ばしているのは、必然と言えるでしょう。
ちなみに、住宅市場動向調査における注文住宅以外のデータを見ると、分譲戸建・分譲マンション・中古物件の情報収集ツールでは、ネット利用率は4割前後に達しています。注文住宅のネット利用率はまだまだ伸びしろが大きく、ネット経由のお客様が今後さらに増加する可能性は高そうです。(高田)
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