リフォームの再成長を目指せ

増税以降、新築市場は貸家の牽引で持ち直していると言え、持家もわずかながらに回復、実際に住宅着工も2016年度は97万戸と、100万戸に迫るまでになりました。
一方で、増税後に失速感が強いのがリフォーム市場です。2016年度の大手ハウスメーカーのリフォーム売上で、持続的な伸びを見せたのは大和ハウスリフォームのみでした。他もミサワホーム、旭化成、三井ホームが増収できただけで、積水ハウス、積水化学、住友林業、パナホームのリフォーム売上は減収となりました。大きな減収ではなく、ほぼ横這い程度ですが、本来期待していたリフォームの成長計画とは違ったものとなっています。

各社が失速した大きな要因の一つに、太陽光発電の需要減退があります。確かに積水ハウスや化学はこの影響を大きく受けました。また人員増強が予定通り行っていないこともあります。今までリフォーム施主の中心となってきたシニア層が、将来不安といった面からリフォームにお金を使わなくなったこともあるでしょう。

確かに今のリフォーム市場は踊り場で、このまま今まで通りのことを繰り返しているだけでは、本当にリフォーム市場は伸びないのかもしれません。ただ昨年、首都圏で新築マンション供給戸数を中古マンション成約件数が上回ったように、ストックの市場が本格的に動き出していることは間違いないと思います。
欧米では当たり前となっている既存住宅の流通が本格的に起動に乗ることが、リフォーム市場の成長に関わってくるはずです。流通時のリフォームでは、壁紙、水回り等がメインになってくるでしょうが、余裕がある層は床を張り替えたり、完全スケルトンリフォームを手掛けることも多く見られます。戸建でも最近は徐々に大型リノベの流通という実例も出て来ています。
決してそれほど遠くない将来に、ストックが今よりももっと注目されるはずです。宅建業法の改正によるインスペクション促進、安心R住宅制度等、既存住宅が安心して買えるようにという準備も着々と進んでいます。ストック流通ビジネスが本格化するその時には、少なくとも、今までのメンテナンス中心リフォーム市場が、また異なるビジネスとして出てくることになるはずです。

弊社発刊のTACTリフォームでは、リフォームを中心としたストックビジネスについて、詳しくお届けしてまいります。(関)

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