JSKブログにて、住宅メーカーのリフォーム事業頭打ちの一因として、太陽光発電の需要減退が挙げられていました。新築でも同様で、住宅メーカー10社の太陽光発電搭載率は伸び悩んでおり、2015年度→2016年度で伸ばしたのは、積水ハウスと住友林業の2社のみでした。
10社単純平均も、57%→55%と2ポイント減少し、一時の勢いは感じられません。搭載率で分類すると、
□80%クラス(限界値) :積水ハウス、一条工務店、積水化学工業
□50%クラス(平均的) :旭化成ホームズ、パナホーム、大和ハウス工業、住友林業
□30%クラス(平均以下):ミサワホーム、トヨタホーム、三井ホーム
となり、80%内外の事実上の限界に3社、50~60%という平均値に4社が位置しています。2016年度においては、住友林業が50%クラスの仲間入りを果たしたことが目立ちます。
全体的には頭打ち感が広がっている太陽光発電ですが、新たな動きも見られます。
積水化学工業が7月28日に発売する「スマートパワーステーションGR」は、新開発のスマートGルーフで寄棟屋根でも大容量の太陽光パネルの搭載を可能としました。延床面積30坪台でも10KW以上を搭載可としており、蓄電池(12kW)+VtoH(EVの電池容量30kWh)を合わせると、「エネルギー自給自足100%」も可能とします。年間1,000棟の販売目標を掲げ、更に太陽光発電のアピールを強化します。
旭化成ホームズが6月1日に発売した「キュービック ルーミー」は、2階建の天井を押し上げることでロフト空間を提案する新商品です。同時に、南面を3.5寸勾配、北東西面を15.7寸勾配とする「偏芯寄棟屋根システム」を採用し、南側に大きな屋根面を配置することで、30坪台でも5kWの太陽光パネルを搭載できるとします。単世帯一次取得者をターゲットとして、年間250棟の販売目標を掲げています。
いずれの商品も、2階建・寄棟屋根への太陽光発電搭載を訴求しており、ZEHの普及もにらんで、新たな需要の開拓を目指しています。(脇田)