大手住宅メーカー10社の6月受注は10社合計で5月と同水準の前年同月比▲5%、9カ月連続のマイナス受注となりました。部門別にみると主力の戸建請負は【苦戦】、戸建分譲は比較的【堅調】、アパートは好調持続も【勢い鈍化】という状況にあり、全体として5月迄の重い動き、厳しい受注環境が続いています。
主力の戸建請負は相変わらず後押し材料不足で決め手に欠き、長期化・様子見が常態化しています。特に、急ぐ理由のない建替客でそうした傾向が顕著であり、なかなか結論が出ない案件が目立ちます。戸建分譲は低金利を背景に若年層一次取得者中心に比較的堅調な動きが見られますが、高付加価値物件など優良物件の多寡で堅調なところとやや苦戦のところがまだら模様となっています。これまで全体受注を牽引していたアパートは前年までのハードルが高いためまだ好調といえます。但し、空室問題や過剰融資などの報道、地方中心にアパート融資の審査が厳しくなっているなどの逆風もあり、オーナーの動きが慎重になるなど一時の勢いは鈍化傾向にあります。
一方、受注の先行指標となる6月集客は展示場中心に前年同月比で概ね前年並みとなりました。休日数(土日)も前年と同数のため、休日当たりでも実質前年並みとなり、集客は比較的【堅調】といえます。着座や次回アポ取得率、敷調申込など来場後の先行指標も悪くなく、具体的に住宅計画を考える比較的中身の濃い来場者が多いと考えられます。但し、後押し材料不足で決め手に欠くため、建替客中心にじっくり住宅計画を進めたいと考える慎重な来場者が目立ちます。
今後の見通しも決して楽観できるものではありませんが、集客絶対数、商談絶対数はそこそこの水準を確保できているところが多いようです。間もなく、お盆中心に夏の集客ピークを迎えます。今年も猛暑日が続きそうですが、暑いときほど来場者の中身は濃いと考えられます。積極的な仕掛けを展開し一組でも多くの来場者を確保し、一件でも多くの商談⇒契約へとつなげたいものです。(岩澤)
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