今年2月にナスタが戸建用の新型宅配ボックスを発売して以降、宅配ボックスを手掛ける大手設備メーカーを中心に新商品の開発が相次いでいます。その背景には、amazonや楽天といったネット通販やネットスーパー等の利用者増加による宅配利用者の増加があり、それに伴う再配達の増加と配達員の過剰な労働時間は、企業の働き方の是非を問う社会問題にまで発展しました。
戸建用の宅配ボックス自体は以前から存在していたものの、そもそもユーザー側の認知度が極めて低く、報道によってその存在を知ったことで注文が殺到、パナソニックは新商品の発売を延期し従来商品の生産を優先させるなど、ここ半年程はちょっとしたブームになっているようです。
住宅会社においても、上記ナスタとの開発・販売等で大和ハウスや桧家が協業を発表。ミサワやアキュラ、クレバリーもこれに続き、ナスタ子会社のヘルシーホームも宅配ボックスを標準仕様とするなど、注目が集まっています。
下図の広告は大和ハウスの分譲地の広告で、宅配ボックスを一つのメリットとして提案しています。宅配ボックス自体は、設置スペースに余裕があれば、既築の住宅でも容易に採用することができるため、住まいづくり・購入においては他社との差別化にはなりにくく、こうした広告も現状は宅配ボックスの注目度がアップしている間の、一過性のものだと考えられます。
とはいえミサワホームでは室内側から宅配物を回収できる玄関一体型をバリエーションに追加しており、このような室内空間を活用した提案がどこまで出てくるかで、住まいづくり・購入における宅配ボックスの位置付けは変わりそうです。高齢者単身世帯や共働き世帯の増加に伴い、今後住まいと物流の関係性はより深くなっていくと考えられ、宅配ボックスという設備を一過性のブームだけだと決めつけるのは少々早計かもしれません。(平野)
◆大和ハウス分譲地広告
◆ミサワ玄関一体型宅配ボックス
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