コロナ禍を克服するデジタル技術
緊急事態宣言の解除を受け、少しずつ日常へ戻りつつあり、緊張感を持ちながらもそろそろ攻めに転じなければならない。
最近、頻繁に目にする言葉の一つが、「デジタルトランスフォーメーション」である。略称は「DX」で、「Trans」を「X」と略すことが英語圏では一般的であるためだという。
考えてみれば、デジタル技術が今のように発展していたおかげで、我々はこのコロナ禍でも何とか事業を継続出来ているし、不自由ではあっても我慢できているところも多い。
中世のペストやコレラ、100年前のスペイン風邪の時代は本当に大変だったはずである。
もちろん現在でもデジタルだけではできないこともあり、飲食店やエンタメ、観光業というのは相当厳しい状況に陥って、技術の進歩だけでは克服できない分野の厳しさも突き付けられた。事業継続のためにも早期の収束が求められる。
株価回復を牽引するDX関連企業
そんな中、一気に回復の動きを見せているのが株価の動きだ。日経平均株価は3ヶ月半ぶりに23,000円台を回復し、ダウ平均株価も同様に戻りつつある。
歴史的暴落の後の急回復は不安すら覚える真実味のないものにも見えるが、株価を牽引する業種として確実に業績拡大出来ると見られるのが、このDX関連企業である。
他にもテレワーク、5G、AI関連は株価の世界でも注目され、コロナの逆風を受けてより成長が加速していくことが予想される。米国Zoom社の成長は誰もが知るところであるし、米国株を底支えするGAFA等、コロナ抵抗力が強い。
■今、注目の株上昇10分野
DXと住宅産業
住宅業界でも1つチャンスとなっているのはテレワークであるが、このデジタルトランスフォーメーションと住宅の相性はどうであろうか。
「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること」。
また「既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの」。
これがDXの表す概念であるが、住宅業界はまさに人々の生活をより良いものへ変革させることを目指している。そこにデジタル技術を伴って生活をより良くすることが業界の新しい価値を生む。
既にZEHのエネルギーコントロール、IoT住宅というところでデジタル技術を使っているが、もう一歩進化する必要があるのだろう。積水ハウスが進める医療との連携は一つの新しい成長領域である。
続く「まなび」、「つながり」も住宅業界の目指すDXの一つだ。新築着工が減少する中で、更なる成長を目指すために何をすべきか。DXで一歩先に出ることが、コロナ時代で、更にその後の世界で勝ち組となる方法の一つである。(関)
■DXで先行する米国企業はコロナ抵抗力がある(増益社数の比率)