コロナ禍で激動の1ヶ月
この1~2ヶ月は、今まで経験したことのないような異常事態の日々が続いている。感染者数や死者数の増加が連日伝えられ、同時に襲う経済的なショック、先行き不透明な怖さはまさに非常事態である。経済面ではダウ平均株価が、2000ドル以上の過去最大下落幅を連発し、日経平均株価も30年ぶりという下落幅等、記録的な経済的ショックも連日取りざたされた。
下落一直線でないことはまだ救いであるが、乱高下は続き、もう全ての常識が通用しない世の中である。東京五輪の1年先送りも決まり、コロナという見えない敵により世界中が揺さぶられている。3月中旬からこの1ヶ月、急展開、激動の1ヶ月である。
持家着工は55年ぶりの低水準
そんなコロナショック報道の中で、この混乱以前の段階である1月の住宅着工戸数は衝撃的な数値を記録した。そもそも1月というのは雪等の影響もあって着工戸数は少ない。今年の1月着工は総戸数で60,341戸だった。これを単純に12倍すると、72万戸。恐ろしい数字である。
そして持家着工は18,037戸と、なんと2万戸割れである。この数字が如何に少ないかというと、過去55年間に持家が2万戸を割ったことは1度もない。月間持家着工が2万戸を割ったのは実に1965年1月以来である。
■25年間の持家着工のワースト10
今年の1月というのは、我が国においてはまだコロナ影響は起きていなかった。そのコロナショックを前に、既に増税影響もあって持家着工は大幅減少のフェーズに入っている。増税直後の一時的な反動減の要素とは言い切れない。
連続2万戸未満の可能性
状況悪化は続く。2月も19,557戸と予想通り2 万戸を割っており、2ヶ月連続の2万戸割れが現実となったわけだ。更に3月、通常ならば着工は1~2月より多い月であるはずだが、コロナ影響が追い打ちを掛ける。
2019年3月は22,000戸強。前年から1割減少では到底済まないだろうというくらいの市場混乱ぶりである。やはり2万戸を割る可能性が極めて高いだろう。
■過去25年間、1月の持家着工推移
住宅着工戸数減少の対策が必要
コロナの混乱が落ち着くまでは、設備の納期問題もそうだし、イベントを中心とした集客活動もままならない。しばらく着工が平常に戻らないと見られる。つまり2万戸割れが連続して起こるという衝撃的な現実を認めざるを得ないような状況だ。
まずはこれを事実として受け止め、これからの対策を練らなければならない。増税とコロナショックにより、住宅業界も一変する。 (関)
もっと月刊TACTの記事を読む
■新型コロナ関連の動画
マンスリーハウジングニュース4月号♯01 特別解説【リフォーム市場と新型コロナの影響】
JSKコラム(2020年)住宅業界新型コロナ月刊TACT