コロナ影響以前の持家2万戸割れの衝撃


 

 

コロナ影響で世の中は大混乱

世の中が大混乱という悪夢のような月日が続いている。東日本大震災から9年であるが、あの時も原発事故もあり非常事態で先行き不透明な状況が続いた。コロナ騒動は世界中に拡散しているため、大恐慌を巻き起こすような怖さがある。

住宅業界でも設備系全般が品薄状態であることから、納期遅れはほぼ全製品に及んでおり、納期遅延、着工遅れ、完工のズレ込みという連鎖で、新築、リフォーム問わず工事への影響は計り知れない。
 

新築、リフォーム問わず工事への影響大

そして2月はまだ住宅設備を中心にモノの生産が止まっているという状況だったが、今は経済活動自体が止まっているかのようだ。営業活動にも自粛要請もあって、今後の受注へのマイナス影響は大きい。

中小企業の場合、これから数ヶ月間、売上が激減、最悪の場合はゼロになる可能性すらあるだろう。リフォームで水回り専門店のようなところでは、業績への打撃はより大きい。
 

消費増税のダメージも

そして昨今はコロナに世界中が目を奪われている状態であるが、住宅業界はそれ以前に消費増税のダメージを多大に受けている。

消費増税における着工減少は軽微だという認識でいたかもしれないが、2020年1月の住宅着工の減り方は新築市場縮小の本格化を目の当たりにしたものである。ストックの時代へシフトしていくということが現実味を帯びてきたと言っても良い。
 

月間持家着工2万戸割れ

特に衝撃であるのは、持家着工が月間で2万戸を大きく割ったという事実である。今年1月は18,037戸まで落ち込んだ。持家2万戸割れは1965年1月以来、55年ぶりの事態である。
そもそも例年の傾向として1月は着工が少ない月ではあるが、直近で2万戸すれすれまで落ち込んだのは、大雪に見舞われた2018年2月、そしてリーマンショック後の2009年1月である。

この時は2万戸あったわけであるから、それよりも1割も少ない着工である。言うまでもなく、この着工減はコロナとは無縁のもので、住宅着工がそこまで落ち込んだということである。
 

新築着工縮小が一気に早まる可能性

本誌発刊時には発表されている2月の着工も、おそらく大きく落ち込むだろう。コロナの影響も出て来ている。2ヶ月連続2万戸割れは確実とも見られ、3月も2万戸を割ってくる可能性は高い。そしてこれがいつまで続くか分からない怖さがある。
今の市場混乱を見ていると、新築着工の本当の縮小期が一気に早まる可能性があるだろう。(関)
 
■ 月間持家着工が2万戸を割る衝撃
月間持家着工が2万戸を割る衝撃

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