世界的な危機
アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひくと言われてきたが、今回は中国から発した新型コロナウィルスによって世界中の経済に大打撃が出始めている。
刻々と状況が変わりつつあるが、最近では東京五輪の開催すら危ぶまれるような声も出始めた。世界的な危機が襲ってきそうな怖さがある。
住宅業界の品薄問題
第一の不安は、サプライチェーンの混乱と欠品問題。住宅業界で、まず品薄が叫ばれ始めたのはウォシュレットの供給で、中国生産に依存している部分が大きいということだろう。
また2月末段階ではIH調理器、食洗器あたりも納品に遅れや欠品が出始めているという声もある。
その他製品も3月くらいまでは在庫があっても、4月以降の納期に遅れが出てくる可能性は十分にある。
東日本大震災後の混乱に似たような雰囲気を感じる。
完工物件の延期
第二の不安として、そうなると、完工できない物件が増える。時期的にも3月という期末時期にあたり、このまま生産が滞ったままだと、完工予定物件が来期に先送りになり、決算にも影響が出てくることは必至だ。
住宅購買意欲の減退
第三は、景気悪化、心理的不安、先行き不透明感が増すということ。株価は続落で、経済へのダメージも計り知れない。
先行きがわからない情報では間違いなく住宅購買意欲の減退は避けられない。つまり住宅どころではなくなっている。
イベント中止の影響
第四は、相次ぐイベント中止で、集客の期待はできないということ。そもそものイベント中止の風が吹き荒れており、多くの人を集めること自体ができなくなってきた。
また人々の心理状況からして、そういうところには極力行きたくない。予約限定来場や、個別相談会くらいの集客で対応すべきである。
足元固めをする時期
施工関連の滞りと集客も期待できないというこのような状況では、通常の業務を送ることが難しい。
現時点では収束が見えず、少し考え方を変えて、足元固めをする時期とした方が良いかもしれない。
働き方改革を見直す
働き方改革の一環で、テレワークの導入も進められており、今は国の方でも時差通勤等を呼び掛けている。焦っても良いことはないので、有休消化等も含めて、働き方を見直す機会と捉えてみるのもありかもしれない。
まずは落ち着いて対処すべきである。とはいってもあまりに不透明過ぎて不安は拭いきれないが、こういう時こそ企業の真価が問われる。
流行が無事終息を迎え、平時に戻った時に攻めに出られる体制を整えておきたい。(関)
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