目次
2019年のリフォーム・ストック業界10大ニュース
① 頻発する自然災害、修繕多発と対災害需要が増える
② 消費増税で駆け込み受注あり、後半は反動減で失速
③ 卒FITにより蓄電池需要が急増、電力買取事業も
④ 空き家846万戸と発表、予想よりも増えず
⑤ 首都圏中古マンション成約件数の新築上回りが3年持続
⑥ 次世代住宅ポイント、還元率は高いが申請遅れか
⑦ 中古買取再販は明暗、ホームネットグループ躍進
⑧ 大和ハウスリブネス強化、大手はグループ内連携進む
⑨ スムストック伸びず、TVCM開始で認知度アップ目指す
⑩ 工程管理アプリ浸透、2大勢力で普及が進む
自然災害、復興・防災でリフォーム業者活躍
2019年は、令和の時代が始まった年で、令和はストック・リフォームが主役になる可能性が高い。2019年に大きな制度変更等はなかったが、記憶に残るのは、頻発する大きな自然災害で、復興の面でも、防災の面でもリフォーム業者の活躍の場が増えた年であったと言える。
風害から浸水被害まで、屋根業者等の仕事は膨大であった。加えて防災意識の高まりから、シャッターやレジリエンス機器等の需要も高まった。
消費増税による駆け込みと反動減
第二は、消費増税による駆け込み発生と後半の反動減。特にそっくりさんのような大型リフォームは3月末に駆け込み、10月の増税本番前には設備系の簡易リフォームが伸びた。支援制度はあるが、現状反動減の時期を迎えている。
卒FITで蓄電池・電力買取サービス訴求
第三は、2019年問題と呼ばれた電力固定買取終了が始まった。11月から卒FIT家庭が発生し、19年だけで53万件。大手ではリフォーム会社主体でオーナー向けにセミナーを開催して蓄電池の導入や電力買取サービスを訴求した。ファミエス等は単月500台など蓄電池受注が急伸した。
ストック活用が進んでいる
第四は空き家が846万戸と、1000万戸を超えるといった従来予想よりも増えずに、一定のストック活用が進んだかに見える。実態としては賃貸空き家があまり増えなかったことが大きい。
第五は、3年連続で首都圏の中古マンション成約が新築を上回った。今年も新築は大きく増える見込みはなく、既存ストックが流通しそうだ。
マンションは中古>新築傾向維持
以下もストック関連の動きとしては、中古購入とリフォームには手厚い次世代住宅ポイントが支援策として打ち出されたが、現状の申請はあまり進んでいない。締切前に急激に申請が増える可能性はあるため、早めの訴求は必要だ。
また中古買取再販業者は明暗が分かれ、インテリックス等の初代勢力は伸び悩み、新興勢力は伸びが大きい。ホームネットは地方注文系ビルダーを傘下に加えてグループを形成し将来市場に備える。
大手ハウスメーカーはグループ内連携やテック化
大手ハウスメーカーではグループ内連携が進み、三井不や東急、そして大和ハウスのリブネス事業は大きく躍動し始めた。
一方大手ハウスメーカー10社によるスムストックは19年6月期では横這いに留まった。普及を目指し10月よりTVCMをスタート。ANDPAD等の工事管理アプリの普及も進み、リフォームもテック化へ向かいつつある。
2020年、今年は東京五輪の年で、景気の盛り上がりとその後のロスが波としてやって来るだろう。リフォーム・ストックの令和が本格稼働する。(関)
■ リフォーム業界2020年のキーワード
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