株価は景気の先行指標といわれるが、最近の日経平均株価は何とか21,000円台前半を維持しているものの、弱含みであり、先行き不透明感は否めない。
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日経平均株価は21,000円台前半で低迷
2018年以降の日経平均株価は、18年10月に年初来高値24,400円台まで比較的順調に上昇した後、12月には年初来安値18,900円台まで20%以上大幅に下落。
2019年に入るとしばらく緩やかな持ち直しが続き、4月には年初来高値22,300円台を付けた。しかし、一時は20,200円台まで下げ、直近は21,000円台前半で低迷している。
2018年度は新規上場の約1割が住宅関連企業
こうした状況の中、18年度には109社が新規で上場し、17年度の92社を17社上回った。この18年度の新規上場企業のうち、大きな括りで見ると住宅関連企業が10社あり、特に下期に上場するところが目立った。
ここでいう大きな括りとは、住宅請負、リフォームなどに加え、中古不動産流通、不動産開発・売買、投資用賃貸マンションなどを含むためだが、18年度の新規上場企業の約1割が住宅関連企業ということになり、住宅関連企業の健闘ぶりが窺える。
そこで、住宅産業研究所では、18年度に新規上場した住宅関連企業の「事業戦略」を調査資料としてまとめることにした。
増税後は住宅計画者の消費行動が変わる
最近の住宅業界を取り巻く市場環境は厳しく、少子高齢化、人口縮小など将来的な市場のパイ縮小は避けられない。さらに、今年10月には消費税の10%への増税も控えている。
当面は、住宅取得支援策が下支えになると思われるが、消費増税後は潜在的な需要も含め、買い控えなど住宅計画者(入居者)の消費行動も大きく変化することが十分に考えられる。
住宅業界も新規事業・多角化、統合再編など変革の時代に
また、住宅各社は主力の戸建請負が厳しいこともあり、周辺事業や住宅以外の新規事業や多角化への取り組みにも積極的である。
さらに、トヨタ自動車とパナソニックの住宅事業統合会社の設立に代表されるように、新しい“令和”の時代は住宅業界を含む産業界の統合再編の大きな変革の時代となることが予想される。
新規上場企業を戦略見直しや事業領域拡大のヒントに
今回の調査資料では、新規に上場した住宅関連企業の事業内容、業績推移、特徴・強み、成長戦略などを紹介している。
今の厳しい市場環境、住宅市場の規模縮小時代を勝ち抜くためのヒント、経営戦略の見直しや新規事業・多角化、M&Aなど事業領域拡大のヒントにしてもらえれば幸いだ。(岩澤)
■調査資料「新規上場【住宅関連企業】の事業戦略(2018年度版)」で取り上げている企業一覧