リフォーム市場に再襲来、第二次トイレショック


 

コロナ禍の第二次トイレショック

コロナはあらゆるところに影響を及ぼし、世の中を一変させたが、経済的に突如として思わぬところにダメージを与えることがある。
1年半前、2020年3月には中国でのコロナ感染拡大によって、トイレ等の設備の一部が生産不能となり、新築住宅やリフォーム業界に、約2ヶ月間に亘ってマイナス影響を与えた。
その1年後の今年4月頃からは米国発のウッドショックが襲い、木材不足と価格高騰を引き起こし、未だ木材価格の上昇は収束を見せていない。

一方でコロナ禍故の需要も生み、2021年度は新築着工もプラス圏で推移し、リフォーム受注も堅調な動きを見せている。
非常に厳しかった前年の第Ⅰ四半期からは、特に大きなリバウンドを見せているわけであるが、ここに来て再び余震のような形で1年半前のショックが襲おうとしている。
トイレや給湯器の生産が滞って納品遅延が起こるという、コロナ禍の第二次トイレショックという状況にある。

今回の発端はベトナムのロックダウンだ。コロナ感染拡大は各地で増減を繰り返し、世界中で収束を見せていないが、今はワクチン接種の遅れている東南アジアにおいて状況が悪化している。
ベトナムでは外出禁止のロックダウンに至っており、その影響で工場生産が停止。
当初住宅業界ではTOTOのトイレの部品を生産しているベトナムのサプライヤーの工場が稼働をストップしたことで、9月頭から一部トイレ製品が生産不可の状態になっている。
リンナイのガス給湯器においても同様に影響が出た。
 
トイレ製品の生産停止、納品遅延の影響は早々にリフォーム業界に波及してきている。
もちろん新築住宅でも影響大であるが、前回同様に特に水回り中心にやっているリフォーム会社にとっては、トイレの受注が出来てもその製品がいつ入るか分からず、営業活動へのマイナス影響は必至だ。
 

改めて緊急事態への備えを

その影響はLIXILやパナソニックにも及んでおり、一部製品の受注停止、他社が目詰まりしたことで通常の生産キャパを超え、納品遅延という状況となっているようだ。
前回の教訓からBCP対策を行ってきたはずだが、やはり一部のサプライチェーンに綻びが出ると、瞬く間に生産にしわ寄せが来るという状況は、改善されていないようだ。これはコロナ禍だけの教訓ではなく、自然災害等でも工場生産停止は起こりうる。
今後もいつ何時、このような状況が訪れるか知れず、一定の在庫確保等、緊急事態に常に備えておくことは欠かせない。(関)
 
■ サプライチェーンの停滞によるダメージ、再び襲うコロナ禍第二次トイレショック
サプライチェーンの停滞によるダメージ、再び襲うコロナ禍第二次トイレショック
 

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