先日、パナホームが千里本社内に賃貸住宅モデルルーム「ラシーネ・テーマスタジオ」をオープンさせました。「ラシーネ」とは、パナホームが提案する女子賃貸の名称で、2011年には東京井の頭に短期体験型賃貸モデルとしてオープン以降、12年には女子賃貸を深掘りするラシーネ研究所も設立するなど女性視点の賃貸住宅を提唱してきていますが、今回のテーマスタジオはその集大成となるモデルルームとなっています。
具体的には「美しいくらし」「楽しいくらし」「優しいくらし」をコンセプトに、各種収納や水回りを中心に女性視点での様々な工夫が施されているモデルルームで、収納や部屋干しエリアにはパナソニックグループのパナホームならではといえる「ナノイー」を加えた換気装置も組み込むなど、インテリアや使い勝手だけでなく、空気質にまでこだわった提案がなされています。
女子向け賃貸としては大和ハウスの防犯女子賃貸「SW」が有名な他、大東建託も「女子ゴコロ100%プロジェクト」として女子賃貸切り口を整備。レオパレス21も昨年度から女子向け商品「アルマーレ」を発売するなど、その他企業を含め各社での取り組みが進んできています。
ご存知の通り、働く女性の増加や晩婚化&シングル女性層の増加などが社会的な背景となりますが、女子賃貸の良さは入居者としての女子の質の良さなども含め、良質な賃貸住宅の持続というオーナー満足に直結しやすいテーマとも言われています。
もちろん賃貸住宅はオーナーにとっては経営ですので、モノを良くしすぎて利回りが低くなってしまっては困るというケースもあるでしょうが、長期安定経営を考えるオーナーにとっては注目度の高いテーマと思われます。
とはいえ、これら賃貸住宅の質が向上していることがどこまで入居者及び入居者予備軍に伝わっているかは未知数。多分、伝わっていない可能性がまだ高いのが現状と思われます。
つまり入居者目線での賃貸住宅が増えるとともに、入居者に対してそれらの取り組みを知ってもらう術が同時に必要で、特に入居付を地元協力不動産会社にアウトソーシングしている企業ほど、そこに対する仕組みづくりや教育が重要になるのではないでしょうか。(清水)
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