戸建住宅市場の縮小から、近年ハウスメーカーを中心として住宅業界ではリフォームや賃貸住宅、商業施設など事業を多角化する傾向となっています。特に土地活用については、老後に向けた資産運用や相続税など土地オーナーからの関心も高く、また1棟あたりの金額も額が大きいことから、ここ数年各社こぞって取り組んで来た分野です。
しかしどうも、その土地活用の勢いが弱まるかもしれません。下図の広告は大和ハウスが2月に出向したものですが、タイトルは「CRE有効活用セミナー」となっています。CREとはCorporate Real Estateの略で、企業不動産を指します。つまり、個人の土地オーナーではなく、土地を保有する企業に対して土地活用の提案を行っていくという趣旨です。
国土は限られており、既存の物件が一定のサイクルで建替え需要が発生するとはいえ、活用する土地も、駅前や広大な敷地など扱いやすいものは減っていきます。一方で、郊外や変形・狭小敷地など活用が困難な物件もうまく活かす提案も求められ、例えば、下図に掲載した住友林業の広告では、所有する狭小地や変形敷地の相談を受け付けています。従来とは違った切り口での土地活用提案も必要になりそうです。(平野)
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