昨今のメディア等で騒がれている空き家問題の実態について、株式会社リクルート住まいカンパニー住まい研究所所長の宗健氏が衝撃的なデータを発表しています。
「住宅土地統計調査が示す賃貸住宅の空き家率は過剰に見積もられており、実態とはもっと低い。」という論評です。同氏は、リクルート管理のSUUMOに登録された物件情報を元に独自の賃貸空き家率を算出すると、住調で算出される賃貸空き家率よりも低い数値が現れると言います。
エンドユーザーを対象に実施した「実際に近所に空き家はありますか?」という空き家の認知度アンケートでは、「ない」、「わからない」という回答が全体の60.7%を占めています。住調が示す7戸に1戸空き家が存在する(空き家率13.5%)のであれば、もっと多くの方が空き家を認識しているはずであり、このアンケート結果は空き家率13.5%とかけ離れたものと言えます。確かに住調の空き家率は実態よりも高く算出されているかもしれません。
これまで、空き家率は住調の結果ほど高くないという内容を記してきましたが、今後の人口減少・世帯減少を見据えるとやはり看過できる問題ではありません。賃貸空室率の問題は、世間で言われる程、深刻ではないのかもしれませんが、今後、築古物件に空室が多くなってきた時に解体や建替をオーナーに提案できるような建設から解体までの一貫したマネジメントが重要となってくるでしょう。
■SUUMO掲載データを用いた空き家率推計(出典:リクルート住まい研究所)
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