三井ホームは、2017年6月より熊本営業所における2×4工法による注文住宅の構造材に、熊本県の杉材の採用を開始しました。熊本県では、公共施設等における木材利用の基本方針を策定すると同時に、県内市町村でも県産材の利用促進を進めており、その方針に沿った提案を強化するということです。
具体的には、壁部分を構成する縦枠材として延床面積40坪の2階建の場合、約5?を使用するとしており、同時にゴールデンウィークにオープンした展示場においては、内装材にもブランド材として評価の高い小国杉を採用し、地域に根ざした提案をアピールします。
一方、木造住宅大手の住友林業では、マルチバランス構法を採用するマイフォレストという商品シリーズにおいて、主要構造材等に国産材の使用を進めてきました。注力するビッグフレーム構法においても、2014年にオープンした東京駒沢の高級仕様展示場では、柱材に国産ヒノキを、内装材には北海道のナラ材を使用するなど、国産材の使用をアピールしています。
この展示場における主要構造材の国産材利用率は69%に達しており、富裕層向けの高級仕様の差別化ポイントとしても、国産材は注目です。
積水ハウスでは、木造商品シリーズであるシャーウッドに使用する木材について、2007年に独自の木材調達ガイドラインを策定し、2010年からは主要構造材に国産材を使用すべく、国産材仕様の整備を進めてきました。
2013年には林野庁による木材利用ポイント制度に対応する仕様として「純国産材プレミアムモデル」を設定し、全国10の国産材産地と連携した高級木造消費の差別化仕様と位置付けています。この取り組みにより、2015年ウッドデザイン賞を受賞し、受賞記念商品として発売した「グラヴィス リアン」では、柱に国産材を標準採用しています。
国産材を使用した住宅というと、木造地場ビルダーのイメージが強いですが、住宅メーカーでも差別化ポイントのひとつとして、普及する可能性がありそうです。(脇田)
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