住宅業界でも消費税本番
いよいよ消費増税本番がやってくる。米中と日韓の貿易摩擦等、国際情勢も経済的にも不透明な状況での増税を迎えることになる。まずは住宅に設けられた増税後のメリット政策を前面に打ち出して、このまま増税に立ち向かうしかない。
そして増税後の住宅業界においては、これから激動の環境下に置かれることを想定して、経営の舵を取って行かなければならない。
大手連合が起こる可能性
令和時代のキーワードの一つに、アライアンスがある。同盟とか提携といった意味だが、自動車業界ではトヨタとスズキが業務提携、業界は3陣営に集約されて、次世代を戦うことになる。小売りで国内上位に台頭してくるマツキヨ+ココカラの大手ドラッグ同盟もアライアンスの一つだろう。
ドラッグ国内最大手となって、今度はアジア№1を目指す。住宅業界ではトヨタとパナ、ミサワのプライム社も大手連合の火付け役となるかもしれないアライアンスで、規模の拡大やノウハウの共有等、増税後に大転換期を迎える業界では、更なる大手連合が起こる可能性は高まって来ている。
地域ビルダー同士の合併
ビルダーはビルダーで、あらゆる方法でグループを形成する。企業の買収や合併、一部資本提携といったM&Aは、エリア・事業多角化拡大、ノウハウ共有等、市場が大きく動く時に協力し合うことが出来る関係性の強いアライアンスだ。
地域ビルダー同士の合併やグループ形成もしばしば起こっており、最大事例は飯田グループ、また最近の地域事例では滋賀県やわらぎ住宅と想伸建設が5月に合併しており、それぞれブランドを保ちながら展開している。
またM&Aには含まれないグループ形成も今後多発すると見られ、アキュラホームのSABMは新しいアライアンスの形となるかもしれない。業務提携型VCのようなイメージだと思うが、支援金も出す等して強いつながりを持たせるビルダー集団となる可能性がある。
実際に静岡の福工房には1億円の事業資金をバックアップしており、ジャーブネットの進化版がどんな成長を見せるか注目である。
アライアンスの時代
また東京本社で札幌から福岡まで全国展開する年商150億円の中古買取再販の業者、ホームネットが組んだのは、秋田県№1のサンコーホーム、山口ファーストホームといった強豪ビルダーだ。
全国に異なる強みを持つ専門家集団として、今後持ち株会社を作ってのグループ化も考えられよう。帝国データの企業意識調査によれば、今後5年以内にM&Aに関わる可能性がある企業は4割弱。令和の増税後は様々なケースで協力し合うアライアンスの時代となる。(関)
■アライアンスの動きと企業のM&A意向
住宅業界月刊TACT消費増税