令和の常識、持続可能社会への貢献


新しい時代の始まりは、気持ちが改まり、身が引き締まる。過去をリセットし、前向きに何かを取り組むという良いキッカケをつくることもできるだろう。「令和」という、この響きも悪くない。意識を変えるには良いチャンスだ。

 

消費増税の過渡期

令和時代は、5月1日、10連休の途中から始まったわけだが、住宅業界は大型連休商戦真っ只中での新時代スタートとなった。注文住宅にとっては経過措置期間が終わり、消費税が10%に上がるという切り替え期にも当る。非常に大きな過渡期に立っていると言えよう。消費税8%で買えるという言い方は出来なくなり、現時点では支援制度を訴求していくか、早期引き渡しを目指す短工期型、建売分譲といった売り方で勝負をかける時だ。
 

パラダイムシフト

気持ちを消費税10%に切り替えるとともに、新時代に向け、確実に押し寄せて来ている変化の波にしっかりと乗っていかねばならない。人口減少の加速、超高齢化、ストック社会化等のパラダイムシフトは、強く認識できている中、持続可能社会への貢献という点は、扱う範囲が広く、まだ本気で取り組む意識が低いと思われる。
 

長期的な視点での企業経営

第一のポイントは、長期的な視点での企業経営。従業員、株主、顧客、取引先、多くのステークホルダーを意識し、長く経営を続けることを考える。
 

社会的責任CSRとESG経営

第二は、社会的責任CSRとESG経営。自社の利益追求に留まらず、企業が社会に与える影響に責任を持つ。また環境、社会、ガバナンスの3つの観点を持つESG経営。この観点をしっかりと見ない企業はリスクの大きい企業と見なされる。
 

持続可能社会に貢献する経営

第三は、持続可能社会に貢献する経営。SDGsという国際的な開発目標を自社の事業に絡めるところも増えている。企業は自社の本業を通じて、環境、社会、地域の課題解決に努め、持続可能社会に貢献する責任がある。
 

社会貢献を念頭に置いた経営

最近多用されるキーワードで、似たようなことを重ねて言っているようだが、上場企業は既に平成の時代から注力しているところが多い。ダイバーシティや働きやすさ、コンプライアンスも着目され、不正は厳しく制裁される。業績を上げる会社が一番ではなくて、地域が、社会が、更には人類みんなが良くなるようにという社会貢献を念頭に置いた経営が、新時代には不可欠になるだろう。
世の中の価値観は時代と共に変わる。これらの社会的責任や環境貢献は平成の後半に活発化してきたが、令和では当たり前になって、常識化していくだろう。それができない会社は見られ方も変わり、生き残りすら出来なくなる。「令和」に変わると共に、意識を変える時である。(関)
 
■令和時代の企業経営の常識

 
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